ホーム /読みもの /動物と泊まる|イルカの隣、アルパカの庭、夜の動物園
動物と泊まる|イルカの隣、アルパカの庭、夜の動物園
動物園でいちばん切ないのは、閉園のアナウンスだと思う。ゾウの前から動かない子どもの手を引いて、門へ歩く。動物たちの一日は、人間の営業時間に合わせて終わるわけではない。むしろ夕方から本気を出す動物も多いのに、私たちはいつも、いいところで帰らされる。
泊まってしまう、という解決策がある。
泊まり火の掲載672軒のうち、敷地内や隣接で動物に会えることを明記している宿は6軒ある。提携先や近くの牧場まで広げればもう数軒。数は多くないが、どれも「動物はアクティビティのひとつ」では済まない濃さがある。
イルカの隣で眠る: ドルフィンファームしまなみ

しまなみ海道の中ほど、伯方島。日本最大級のイルカふれあい体験施設に併設されたオートキャンプ場で、宿泊者は場内のイルカたちを無料で見学できる。宿泊は屋上デッキ付きトレーラーハウス「ジャーニー」など。朝、誰もいない施設でコーヒーを持って屋上デッキに上がると、イルカのいる海が目の前にある。夕食は予約制で、瀬戸内の海鮮を蒸し焼きにするカンカン焼きも選べる。伯方島ICから車で約3分、広島や今治からは高速バス「伯方島BS」下車でも行ける。
アルパカと過ごす: 那須りんどう湖G&V

栃木・那須高原、りんどう湖ファミリー牧場の中に建つグランピング。客室のひとつは、その名も「アルパカグランピング」で、アルパカと触れ合える棟だ。朝食はりんどう湖の乳製品を使った牧場モーニングセットで、バターづくり体験ができる。宿泊者は牧場と那須ハイランドパークの入園が無料になり、アルパカさんぽや乳しぼりも楽しめる。露天風呂兼プール付きの「こどもスイートルーム」や湖上に浮かぶ水上グランピングもあり、家族の初めての動物旅にちょうどいい。
敷地に動物園がある: ウェナヴィレッジくじゅう

大分・九重、阿蘇くじゅう国立公園の中に建つ全7棟のコテージ型グランピング。敷地内にヤギや馬、アルパカと触れ合える自然動物園があり、8輪バギーやマウンテンバイクのコースまで揃う。それでいて全棟に客室露天風呂が付き、夕食は豊後牛ステーキの地産地消BBQという、大人の設備も一切妥協がない。動物に会う旅と、露天風呂でぐだぐだする旅を、一泊で両立できる。九重“夢”大吊り橋まで車で約3分。
夜の動物園を歩く: グランフィルリゾーツ東武

埼玉・白岡に2026年3月に開業した、日本初という「グランピング×動物園×遊園地」の複合リゾート。東武動物公園に隣接し、宿泊者限定で**飼育係の音声ガイド付きの夜の動物観察「アドベンチャー・ナイト」**に参加できる(アドベンチャードーム宿泊者限定)。開園前の園内で朝食をとるサバンナテラス・モーニングもある。閉園後と開園前。つまり、昼間の動物園が決して見せてくれない時間だけを、泊まった人がもらえる設計だ。ドームは全棟セルフロウリュ式のプライベートサウナ付き。
このほか、和歌山のMOUNT Qは絶景露天風呂に四輪バギーや動物ふれあいまで揃う「1日遊べる」型、阿蘇のKOSUGI RESORTは東京ドーム21個分といわれる敷地にグランピング・温泉・ゴルフ・乗馬などが集まる複合リゾートだ。近隣や提携先なら、鳥取のMoiそらやま(近くにポニー牧場)、御殿場の藤乃煌(車で数分の乗馬体験)などがある。
動物の時間に、人が合わせる
動物がよく動くのは朝と夕方だ。昼の炎天下、日陰で寝ている姿しか見たことのない動物が、朝の涼しさの中では別の生き物のように歩く。日帰りの動物園ではその時間に立ち会えない。泊まる旅は、人間の都合ではなく動物の時間割にこちらが合わせる旅でもある。涼しくなっていくこれからの季節は、動物にとっても、外で長く過ごす人間にとってもいい季節だ。
ひとつだけ現実的な話をすると、ふれあい体験やナイトプログラムは予約制のものが多く、動物の体調や天候で中止や変更がある。会えるはずだった動物に会えない日もある。それも含めて、相手が生き物である旅だ。
よくある質問
- 動物とふれあえる貸切の宿はありますか?
- あります。泊まり火の掲載672軒のうち、敷地内や隣接で動物に会えることを明記しているのは6軒です。イルカふれあい施設に併設されたドルフィンファームしまなみ(愛媛・伯方島)、アルパカと過ごす棟がある那須りんどう湖G&V(栃木)、敷地内に自然動物園を持つウェナヴィレッジくじゅう(大分)、東武動物公園に隣接するグランフィルリゾーツ東武(埼玉)などです。
- 子ども連れにはどの宿が向いていますか?
- 那須りんどう湖G&Vは牧場・テーマパーク一体型で、こどもスイートルームや乳しぼり・バターづくり体験があり、宿泊者は牧場と那須ハイランドパークの入園が無料です。グランフィルリゾーツ東武は動物園と遊園地に隣接し、宿泊者限定の夜の動物観察もあります。
- 予約前に気をつけることはありますか?
- ふれあい体験やナイトプログラムは予約制のものが多く、動物の体調や天候で内容が変わることがあります。またペット同伴の条件は宿ごとに違います。ドルフィンファームしまなみはコテージへのペット入室不可、グランフィルリゾーツ東武は愛犬と泊まれますが動物園への同伴入場はできません。公式サイトで最新の条件を確認してください。