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器の町に泊まる|信楽と益子、土と食卓の旅
旅先で器を買う人は多い。けれど、買った器はたいてい新聞紙にくるまれたまま家に帰り、食器棚の空きを待つことになる。器の町に「泊まる」旅は、そこが違う。夕方まで窯元と器屋をめぐり、選んだ一枚を、その夜の食卓に下ろせる。
器は、売り場で見るのと食卓で使うのとでは別物だ。手に持ったときの重さ、汁物を張ったときの釉薬の表情、朝の光での色。買った日の夜に「試運転」ができると、器との付き合いは最初から深くなる。キッチン付きの貸切宿は、そのための実験室になる。
信楽は、たぬきの置物であまりに有名になったが、本領は土の力強さにある。大物を焼ける土地柄ゆえの、おおらかで温かい器。益子は、日々の暮らしの器の町だ。飾らない民藝の流れを汲む厚手の器は、家庭の食卓のために生まれてきた。どちらの町も窯元やギャラリーが点在し、歩いてめぐるだけで半日が溶ける。
信楽高原のヴィラで試運転: THE ROSE VILLAGE(ローズビレッジ)

信楽高原に佇む5棟限定のヴィラグランピング。花の名を冠したテーマの異なる棟で、サウナや露天風呂、プールを楽しみ、季節の食材のコースを味わえる。日中は信楽の窯元めぐり、夜は高原のヴィラへ。買った器に映える一品を、と考えながら食卓につく時間まで含めて、器の旅である。
益子の里山、1日2組の温泉: 益子舘 里山リゾートグランピング

栃木・益子の里山に建つ1日2組限定の温泉グランピング。ドームテントに泊まり、那須野ヶ原牛や地元食材のBBQか里山懐石を選べる。ナトリウム・カルシウムを含む天然温泉「美人の湯」の大浴場と露天風呂も。器の町の中心まで近く、日中の器めぐりと里山の夜が地続きになる。愛犬同伴プランもある。
次の器の町へ
信楽と益子の先には、まだ器の町が続いている。青の波佐見、絵付けの有田、関東なら笠間。町ごとに土と釉薬の性格が違い、めぐるほどに自分の食卓の「好み」が輪郭を持ってくる。器の旅の土産は一枚の皿だが、本当の土産は、毎朝その皿を使うたびに戻ってくる旅の記憶のほうだ。