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プールヴィラの休日|水辺でほどける、何もしない一日

· 泊まり火編集部

午後3時。鍵を受け取って扉を開けると、まず水面が目に入る。今日から明日まで、誰のものでもなく自分たちだけのものになるプール。ホテルのプールと決定的に違うのは、視線がないことだ。順番を待つ必要も、場所を取る必要もない。飛び込んでもいいし、足首まで浸けたまま本を読んでもいい。

水着に着替えるのももどかしくて、まずは水際にしゃがんで手を浸してみる。思ったより冷たい、あるいは思ったより温かい。その温度を確かめた瞬間から、もう休日は始まっている。プールヴィラの休日は、「何をするか」ではなく、「何もしなくていい」と気づくところから始まる。

水着のまま冷蔵庫へ飲み物を取りに行き、濡れた足あとをデッキに残して、また水へ戻る。ホテルのプールなら少し行儀が悪いような振る舞いも、1棟貸切なら誰の迷惑にもならない。この気楽さこそが、プールヴィラの休日の土台にある。

海へ視線が抜けるプライベートプールの水面
Photo: Lions Times / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

何もしない午後が叶う宿: シーン88

シーン88公式サイトよりヴィラ淡路島(兵庫) · 兵庫県シーン88最大6名施設ページを見る →

プールサイドの午後は、驚くほど何も起こらない。水面が風で揺れる。氷が溶ける。ページをめくる手が止まって、いつの間にか少し眠っている。予定を詰め込む旅では決して手に入らない、この「空白」こそがプールヴィラの主役だ。

時計を見ない午後は長い。日が傾くにつれて水面の色は変わり、白かった光が金色になり、やがて空の端が薄い茜に染まる。その移ろいを最初から最後まで眺めていられるのは、一日を水辺に明け渡した人だけの特権だろう。

淡路島の海辺に佇むこの宿は、1日1組限定。開放感のある中庭にプライベートプールが据えられているから、外の視線を気にせず水辺の時間に沈み込める。体が冷えたら屋外の温水ジャグジーへ、汗をかきたくなったら24時間好きなだけセルフロウリュできるプライベートサウナへ。水と熱を行き来しているだけで、午後は静かに暮れていく。定員6名。

夜の水面に灯りがともる宿: クリスタルヴィラ南城

クリスタルヴィラ南城公式サイトよりヴィラ沖縄本島(読谷・恩納・名護・本部・今帰仁) · 沖縄県クリスタルヴィラ南城最大12名 · 127,000円〜 / 泊施設ページを見る →

日が沈むと、プールはもうひとつの顔を見せる。昼間は空を映していた水面に灯りがともり、揺らめく光が部屋の天井にまで届く。夕食のあと、グラスを片手に水際へ戻る。昼のプールが体を動かす場所なら、夜のプールは眺めるための水盤だ。

不思議なもので、夜の水辺では声が自然と小さくなる。水の揺れる音と、氷がグラスに触れる音。それだけで夜は十分に満ちていく。

日暮れどきのプールサイドに灯りがともる
Photo: Raining Huang iourain / CC0 (Wikimedia Commons)

沖縄本島南部・南城の海辺に建つ全4棟の3階建て一棟貸切ヴィラでは、夜になるとプライベートプールがライトアップされる。ジェットバスとバレルサウナも備え、ビーチまでは徒歩約3分。那覇空港から車で約40分という距離も、夜更かしした翌朝にはありがたい。1棟127,000円〜。

季節を選ばない温水プールの宿: 海を望むプライベートヴィラ tokinos

海を望むプライベートヴィラ tokinos公式サイトよりヴィラ熱海・伊豆(静岡) · 静岡県海を望むプライベートヴィラ tokinos最大6名施設ページを見る →

「プールは夏のもの」という思い込みを、温水プールは静かに裏切ってくれる。湯気の立つ水面に肩まで沈み、冷たい空気と温かい水の境目で過ごす冬の午後は、夏のプールサイドとはまったく別の贅沢だ。

伊東・宇佐美の高台に建つこの宿は1日2組限定。「umi」と「tsuki」、二つのスイートはそれぞれ約300㎡・3ベッドルームで、プールの湯はなんと温泉のかけ流し。真冬でも泳げる。ジャグジーに浸かれば相模湾が水平線まで広がり、季節がいつであれ、水辺の休日が成立してしまう。

温水プールの真価は、朝にも現れる。誰よりも早く起きて、湯気の立つ水面をひとりで独占する。空気は刺すように冷たいのに、水の中は温かい。海がゆっくり明るくなっていくのを、水に浮かんだまま眺める。一年のどの季節に来ても、この宿ではそれが叶う。

水辺の休日は、思うより手が届く

当サイト掲載のプール付きヴィラの相場は、1棟あたり中央値で約9.9万円/泊。ヴィラ全体の中央値(約7万円/泊)よりは張るが、これは部屋の値段ではなく、プールごと1棟を借り切る値段だ。数人で分ければ、1人あたりはリゾートホテルの1室と大きくは変わらない。

なにより、ここで手に入るのは設備ではなく時間だ。誰にも見られず、誰にも急かされず、水辺で一日を過ごすという時間。次の休みは、予定を埋めるのをやめて、何もしない一日を予約してみてほしい。

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