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カメラと泊まる|マジックアワーを逃さない宿の立地学

· 泊まり火編集部

写真を撮る人なら知っている。一日のうち、光が魔法になる時間は日没の前後のわずかな間だけだ。空が金色から茜色へ、そして深い青へ。同じ場所が、この1時間だけまるで別の場所になる。

金色に染まる夕暮れの雲
Photo: Mila Young / CC0 (Wikimedia Commons)

問題は、旅先のマジックアワーはたいてい「移動中」に来ることだ。観光地からの帰りのバスの中、夕食の店を探して歩いている途中。窓の外で空が燃えているのに、シャッターを切れない。この悔しさを解決する方法はひとつしかない。マジックアワーを「見に行く」のをやめて、それが来る場所に泊まってしまうことだ。

夕日に向かってカメラを構える人の影
Photo: 0x010C / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

宿の立地は、方角で読む。夕日を撮るなら西に水平線や湖面が開けた宿、朝日なら東向きの海辺。高台なら前景の抜けが良く、水辺なら反射が二倍の絵をくれる。そして日が沈みきった後のブルーアワーまで粘れるのは、そこが「帰らなくていい場所」だからこそ。三脚を立てたまま夕食を挟んで、空が深い青に変わる瞬間に戻ればいい。

ブルーアワーの水辺に灯りが映る街並み
Photo: Basile Morin / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

西向き、夕日、プールの反射: GLAMDAY VILLA OKINAWA 中村邸

GLAMDAY VILLA OKINAWA 中村邸公式サイトよりヴィラ恩納村(沖縄) · 沖縄県GLAMDAY VILLA OKINAWA 中村邸最大9名施設ページを見る →

恩納村・真栄田に建つ1日1組限定のプライベートヴィラ。作曲家の滞在型スタジオを宿にした空間で、プライベートプールから東シナ海に沈む夕日を望める。水面が夕日を反射するプールサイドは、それ自体が撮影セットのようなものだ。誰もいないから、三脚も置き放題である。

東向き、朝日、サーフィンの海: Villa Umichika(ヴィラ ウミチカ)九十九里

VILLA UMICHIKA 九十九里一宮公式サイトよりヴィラ九十九里・一宮(千葉) · 千葉県VILLA UMICHIKA 九十九里一宮最大10名 · 99,000円〜 / 泊施設ページを見る →

九十九里・一宮の静かな海辺に建つ2棟のプライベートヴィラ。国産檜の大型バレルサウナとプール、屋外ジャグジーを備える。九十九里は太平洋に向かって東に開けた、朝日の海だ。夜明け前に起きて、波とサーファーのシルエットを狙う。撮影を終えたら、朝サウナでもう一度目を覚ませばいい。

被写体になる宿: MEZZO ALLSUITE(メッゾ オールスイート)天橋立

天橋立 MEZZO ALL SUITE VILLAS公式サイトよりヴィラ天橋立(京都) · 京都府天橋立 MEZZO ALL SUITE VILLAS最大5名施設ページを見る →

天橋立・宮津湾を望む全4棟のオーシャンビューヴィラ。各棟にジャグジー付きの露天温泉とプライベートプール、焚火を備え、黒を基調としたミニマルモダンな空間で過ごせる。風景だけでなく、宿そのものが絵になるという選び方もある。黒い建築は夕景に沈み、灯りが点くと輪郭が浮かぶ。物撮りにも人物にも、背景として強い。

光の時間割に、旅を合わせる

観光名所は逃げないが、光は逃げる。写真のための旅は、行き先より先に「どの光を撮りたいか」を決めて、その光が来る場所に泊まるのが近道だ。チェックインを済ませて、あとはテラスで光を待つだけ。それは写真好きにとって、いちばん贅沢な「何もしない時間」でもある。

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