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ホカンスのその先へ、誰とも共有しないバカンスという体験
ホカンスという発明は、正しかった。観光地を巡らない。移動に疲れない。ホテルそのものを目的地にして、プールとラウンジとルームサービスで一日を満たす。「どこへ行くか」ではなく「どう過ごすか」へ。旅の重心を移したこの発想は、休み方の進化だったと思う。
だから、これはホカンスを否定する話ではない。ホカンスが見つけた快楽を、もう一段先へ進める話だ。
ホカンスにも、行列は残っている
思い出してほしい。プールサイドで、空いているデッキチェアを探した目線を。アフタヌーンティーの、予約の取りづらさを。朝食ビュッフェの、エッグステーションの列を。ラウンジで、隣の席との近さに少しだけ声を落としたことを。
滞在そのものを目的にしたはずなのに、滞在のなかに小さな競争が残っている。それがホカンスの、ただひとつの限界だ。快楽の種類は増えたのに、それを共有しなければならないという条件だけが変わっていない。
引き算はひとつだけ、他人を引く
貸切ヴィラは、ホカンスの答案から他人だけを引いたものだ。プールはある。誰も泳いでいない。サウナはある。順番待ちがない。ラウンジの代わりに、ソファもキッチンも音楽も自分たちの采配で動くリビングがある。ルームサービスの代わりに、好きな時間に開く台所と、テラスの網がある。
デッキチェアは、探すものではなく、寝落ちる場所になる。水着のまま昼寝をして、夕方もう一度泳いで、髪を乾かさずに湯に向かう。ホカンスで覚えたあの怠惰な快楽は、視線が消えた途端、もう一段深くなる。
駅から徒歩7分のバカンス: ヴィラかくれが(泉佐野)

ホカンスの美点は「気軽さ」だ。それなら、りんくうタウン駅から徒歩7分という立地はどうだろう。移動を捨てるというホカンスの思想のまま、着いた先が貸切のリゾートヴィラに変わる。夏季のプール、サウナ、ウッドデッキのBBQ。関空至近だから、遠方の友人との集合にも向く。最大15名。女子会でも、気の合う仲間の集まりでも、フロアごと借りたような自由が待っている。
温泉つきのホカンスを知らない: シエロ箱根仙石原
公式サイトよりヴィラ箱根(神奈川) · 神奈川県シエロ箱根仙石原最大12名 · 128,000円〜 / 泊施設ページを見る →
ホテルのスパは予約制だが、ここの湯は違う。富士山を望む仙石原の1日1組限定・一棟貸切別荘に、かけ流しの天然温泉とプライベートサウナ、季節加温のプールが揃う。夜中の2時に湯に浸かっても、誰にも会わない。ルームウェアのまま部屋と湯を往復する、その動線の短さこそが贅沢だ(定員12名)。
ビーチリゾートを、棟ごと: クリスタルヴィラ白良浜ビーチ

南紀白浜・白良浜ビーチ近くに建つ全5棟の一棟貸切ヴィラ。各棟にプライベートプール、サウナ、源泉かけ流しの露天温泉。「リゾートホテルの上層階」で得たかったものが、棟という単位でまるごと手に入る(最大16名・愛犬も一緒に)。水平線が部屋の続きになる、と紹介文にあるが、その水平線も今夜は自分たちのものだ。
ホカンスの次の語彙
ホカンスがホテル+バカンスなら、この滞在に名前はまだない。あえて言えば「貸切のバカンス」。快楽の品目はホカンスと同じで、条件がひとつだけ違う。待たない。譲らない。気配を消さない。ホカンスで休み方を覚えた人にこそ、その先の一泊を試してほしい。